「嘘をつくな!」って怒られている子供に出会った
先日、とあるスーパーで、育児猫と子供たちで買い物かごからエコバッグへ商品を詰め替えていた時のこと。
となりのサッカー台で小学1年生くらいの女の子が、お母さんから叱られていました。
どうやらその子は黙って自分が欲しいお菓子を買い物かごに忍ばせていたらしい。
お母さんは小さなお菓子を女の子の目の前に突き付けて
「これはあんたが入れたんでしょ?」
女の子は小さく首を横に振ります。
「嘘をつくな!あんたが入れたはずだ!」
女の子は固まっています。
そのお母さんが普段から激昂するタイプなのかどうかまではわかりませんが、女の子がおびえているのは確実でした。
結局そのお母さんは「まったくもう!」みたいに毒づきながら、袋に買った商品と買うはずじゃなかったお菓子を詰めて、出ていきました。
女の子も泣きながら付いていっていました。
嘘つきは泥棒の始まりなのか?
育児猫は「叱らない子育て」を実践しているわけではありませんし、必要なら子供にペナルティを科すこともあります。
しかし実は「嘘をつく」という行為で叱ったことはありません。
これは子供が嘘をついたことがないからではありません。
回数は少ないですが、何度か子供に嘘をつかれたことはあります。
それでも「嘘つきは泥棒の始まりだよ!」とか言ったことはありませんし、基本的に嘘そのものは責めないことにしています。
理由は単純。
嘘は必要だと思っていますし、自分も嘘をつくからです。
「私は絶対嘘なんかつかない!」と胸を張って言える人のことは、正直信用できません。
人間関係をスムーズにするためには、「建前」という名の嘘が必要です。
また育児において、子供に嘘をつかずに育て上げることが出来る親なんて皆無ではないでしょうか。
そもそも「嘘つきは泥棒の始まり」っていうのが「嘘」ですよね。
日本人は特にお世辞や遠慮が好きですから、嘘をつかないのは難しいと思います。
嘘には3種類の嘘がある
アドラー心理学の本を読んで知ったのですが、嘘には3種類の嘘があり、
1つ目は「自分を守るための嘘」
2つ目は「他者を守るための嘘」
3つ目は「他人をだますための嘘」だそうです。
幼い子供がつく嘘のほとんどが1つ目の嘘だと思います。
最初に書いた女の子は、「自分がかごにおやつを入れた」と言えば、間違いなく叱られると思っているので、「入れていない」と嘘をついたのでしょう。
点数の悪かったテストを隠したりするのも、子供にはよくあることですよね。
2つ目の嘘は大人がよくつく嘘ですね。
いわゆる「嘘も方便」というやつです。
この2つに関しては叱る必要はないと育児猫は思います。
3つ目の嘘は、オレオレ詐欺的な嘘ですね。
もちろんこんな嘘を子供がつくことは稀だと思いますが、もしも子供が誰かをだますための嘘をついたなら、それに関して真剣に話し合う必要があると思います。
とにかく、大人はよく嘘をつきます。
そして子供は驚くほど大人をよく見ています。
嘘をつく大人から「嘘はいけない!」と言われても、子供は納得できないですし、自分を守るための嘘はほぼ反射的についてしまうので、防ぐことは難しいのです。
じゃあ親子はどうしたらよかったのか
勝手におやつをかごに入れられたお母さんはどうするべきだったのでしょう。
何も言わずに帰ればよかったのでしょうか?
そうではありません。
育児猫ならまず「お母さんが知らないお菓子が入ってる」という事実だけを子供たちに言います。
スーパーで出会ったお母さんの様に「あんたが入れたんでしょ?」と分かり切ったことを、しかり口調で言われると子供は反射的に自分を守ろうとしてしまいます。
親が嘘を誘導している状態なんです。
3人連れていても、お菓子の種類や状況によって誰が入れたかはわかりますから
「お菓子が入っていたけれど、これは今日は買わないよ」とだけ言って、返しに行きます。
子供は勝手に入れたことをきちんと理解していますから、グズグズいうことはありません。
もちろんグズグズ言われたところで、やるべきことは同じです。
勝手に欲しいものを買うことは、育児猫家では認めていませんから、返しに行くだけです。
スーパーで出会った親子の場合は、子供の嘘だけ責めて、お菓子はそのまま持って帰ってしまいました。
めんどくさかったのか時間がなかったのかはわかりませんが、子供はまんまとお菓子を手に入れたのです。
もちろん、あのあとさらに叱られる必要があったかもしれませんが、嘘に報酬を与えた形になっているので、子供は何も学ぶことが出来ません。
嘘をつかれてしまったら
もしも自分の子供に嘘をつかれるようになったら、正直に話し合える関係かどうかを見直す必要があると思います。
子供の失敗をしつこく責めたりしていないか?
(自分を守るための嘘が増える)
子供の話を途中で聞いてあげなくなったりしていないか?
(話を聞いてもらいたくて、話を盛りがちになる)
さらにわかり切った事実を隠して、子供に質問するのもよくありません。
例えば先生から「宿題を○○君は提出していません」と連絡を受けたうえで、
「あなた宿題きちんと出しているの?」と聞くのは、嘘をつかせるための罠にかけていると同じです。
子供は「宿題を提出していないこと」と「親に嘘をついたこと」のダブルで叱責される羽目になるのです。
腹が立つのはわかりますが
「宿題を提出できていないって先生から連絡があったけど、何か困っているの?」と聞いたほうがずっと建設的ですし、子供も嘘をつく必要がありません。
また「どうして?」という言葉に、子供は親からの失望や不承認を感じます。
「どうしてそんなことしたの?」と聞かれると
「一体全体どうしてそんな馬鹿なことをしたんだ」と言われているように感じるのです。
親が子供に教えたいのは、嘘の是非ではなく、親に嘘をつく必要はないということ。
ですから「どうして宿題をしていないの?」ではなくて
「宿題進んでないね。何か手伝えることがある?」と聞くことで嘘をつく必要はなくなります。
「どうして宿題をしていないの?」と聞かれると
「頭が痛くて」とか
「今の今までやってたんだ」とか
バレバレの嘘を子供がつくことになり、さらなるバトルの引き金になりかねません。
長男くんは宿題になかなか集中できませんが、
「どうしてやらないの?」は禁句だと思っています。
嘘つきですが泥棒ではありません
育児猫は嘘をつきますが、今のところ泥棒ではありません。
悪意のある嘘はつきませんが、いまだに自分を守るための嘘をとっさにつくことだってあります。
気が利かない人間なので、他人を守るための嘘は少ないかもしれませんが、やはりゼロというわけにはいきません。
たまにではありますが、子供が育児猫に嘘をつくこともあります。
長女は和室で隠し持っていたチョコレートをこっそり食べて、口の周りを泥棒みたいにして出てきたこともあります。
そういうときは「チョコを食べたでしょ?」と質問するのではなく
「おやつの時間以外にチョコは食べたらいけないよ」とはっきり注意するようにしています。
晩ご飯が食べられなくなると困るからね。と理由も説明します。
まぁでも隠れてこっそり食べるチョコは美味しいよね~
あ、脱線しました。
今日は子供の嘘との向き合い方について書きました。
どなたかの参考になれば幸いです。
では今日はここまで。
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