東大に受からないことを悲観して起こした事件
受験生や受験生を持つ親にとって衝撃的な事件でしたよね。
名古屋の名門校に通う高校2年生の男子が、先生から「東大は無理」と言われてヤケになって起こした犯行だと言われていますね。
事実がそれほど単純なのかはわかりませんが、本人が追い詰められていたのは事実なのでしょう。
この事件、誰が悪いって本人が一番悪いのだろうけれど、先生も追い詰めるような言い方はせずに、東大ではないけれどこんな道もあるよとか、まだまだこっから頑張れるよというような言い方ができたら良かったのかもしれませんね(実際にはそういう言い方をされたのかもしれません)。
ご両親がどんな風な対応をされたのかもわからないけれど、家庭内でも「東大一本」みたいな雰囲気があったとしたら、本人は逃げ場がなくてつらかったかもしれませんね。
そうだったとしても、周りを巻き込んでいいわけはなく、高校生にもなれば善悪の区別はつくはずですから、やはり本人に一番の責任があるのではないかと思います。
もし他に責任を負うべき人間がいるとしたら、親でしょうね。
なんといっても未成年なのですから、なにかあったら親の責任だというのも正論だとは思います。
「東大王」に飛び火
育児猫がブログでこの事件について書きたくなったのは、ネットニュースで有識者と言われる人たちが、あるテレビ番組を攻撃しているのを知ったからです。
その番組は「東大王」
「東大」というブランドを一面に押し出し、スターのように扱う番組が「東大信仰」を助長している。
青少年の心の成長に悪影響を与えているのではないか?との意見が事件後続出しているのだそうです。
東大生を必要以上にかっこよく演出で見せて、東大に行きたいと思わせる番組作りに問題があるのだそうな。
育児猫は有識者ではありませんし、今回「東大王」を責めておられる方々よりも、はるかにあんぽんたんだという自覚があります。
それでも言いたいことがあります。
東大王が悪いの?
いろいろ言いたいことはあるのですが、最初に言いたいのは
「後出しじゃんけんはずるいんじゃない?」ということです。
もともと考えていたけれど、事件が起きるまでは人気もあるし、言いにくかったということなんでしょうかね?
そうだったとしても、東大王を責めるのはお門違いじゃないかしら?と思います。
以前↑の記事で伊沢君を推しましたし、もともと東大王が好きなので、贔屓だと思われてしまうかもしれません。
そこも承知で書きたいと思います。
そもそも東大が日本で一番偏差値が高い大学であることは周知の事実ですよね。
そしてその中でもクイズが好きな東大生がさらに努力して知識をつけて、あの番組に出ているわけです。
「頭がいい東大生」を前面に出すのがそんなに悪いことなんでしょうか?
クイズで対戦するだけで暴力的な内容でもないし、出演している東大生はみなさん礼儀正しく、見ていて気持ちのいい若者です。
あの番組でおかしな風に煽られる人がいるのだとしたら、煽られる方に問題があると思うのですが・・・。
頭がいい人はオタクじゃないといけないの?
頭が良くてクイズができて、っていう人は長いことカッコいいというイメージではなく、オタクで暗いイメージだったと思います。
それを「東大王」や他の最近のクイズ番組で、やっと「クイズができて知識があってカッコいい」という感じで取り上げてくれるようになったと育児猫は感じていました。
もちろん個性が豊かで、オタクっぽい子もいれば、カッコいいもしくは可愛らしい今どきの若者もいる。
そういう東大にあこがれるのはそんなに悪いことなんでしょうか?
男の子は特に、勉強ができるよりもスポーツができるほうがさわやかでカッコいいイメージが定着しているように思います。
なぜなんでしょうね。
「東大だけがいい大学ではない」のは当たり前だけれども、「東大に行っている子たちは頭がいい」のは事実だし、努力してきた分スポットライトを浴びてもいいと思うのです。
スポーツができることは自慢してもいいけれど、頭がいいことは自慢してはいけないということなんでしょうか?
そもそも自慢しているわけではなくて、人は努力して何かができるようになったら、誰かに披露したくなるものですよね。
興味がない人は見なければいいし、興味がある人は見て称賛すればいいのではないでしょうか。
スポーツ選手が問題を起こしたら
例えばプロ野球選手やJリーガーが犯罪を起こして逮捕されることもありますよね。
ロッテオリオンズで活躍した小川博は退団後強盗殺人で無期懲役。
柔道で金メダルを獲得した内柴正人は準強姦容疑で逮捕され実刑5年。
甲子園を目指す高校生はさわやかなイメージですが、暴力行為やいじめが横行しています。
それでも「プロ野球を放送するのはやめよう」とか、「野球選手をカッコよく放送する番組は悪だ」みたいな話は聞いたことがありません。
オリンピックも同じですよね。
メダリストはメダルをぶら下げて、いろんな番組に引っ張りだこ。
コマーシャルにもたくさん出ますよね。
オリンピック選手がその後問題を起こしたとしても、「オリンピックを必要以上に神聖視しているのが問題だ」みたいな話はまず出ないと思います。
念のため言っておきますが、育児猫はスポーツが苦手ではありますが、スポーツ選手が嫌いなわけではありません。
北京オリンピックでは羽生結弦選手を応援しますし、ほかの競技もそれなりに楽しみにしています。
でもスポーツって公平ではないですよね?
フィギュアスケートなんて、ひと月50万円ほど普通にかかるそうです。
絶対習わせられない家庭のほうが多いですよね?
もちろん、選手の人たちが並々ならぬ努力をしているのはわかっています。
いや、わかっていないかな?すっごくがんばっているのだろうと想像はしてます。
でも同じ努力をしても、同じ結果にたどり着けないのがスポーツですよね。
そもそも同じ土俵に立つことが許されないスポーツもたくさんありますよね。
でも勉強は本人の努力次第である程度の結果が得られる舞台ですよね。
全てが報われるわけではないですし、運・不運もあります。
それでも「勉強して、東大に行って・・・」と努力している人たちや、努力して今現在東大で頑張っている人たちを、東大に行けない人が悪いことしたからと言って責めるのはあまりにもお門違いではないのでしょうか?
いや学生を責めているわけではなくて「東大王」が悪いということなんでしょうけれど、「東大王」を責めれば「東大王」で現在活躍している学生たちにも確実に余波が行きますよね。
「大学対抗みたいになっているのが問題」という意見もあるみたいなんですが、箱根駅伝はいいのですよね?
名門と言われる大学がたくさん走って、そこで活躍できなかった人が問題を起こしても、箱根駅伝を責める人はいませんよね。
「東大は狭き門で一部の人しかいけないのだから」という意見もありますが、例えばプロ野球選手になれる人数は毎年80名弱。
東大に毎年受かるのは3000人強。
プロ野球のほうがはるかに狭き門ですよね。
でもプロ野球選手をカッコよく持ち上げる番組に文句をつける人はいないです。
スポーツでも勉強でも
頑張った人は輝いています。
努力している人はかっこいいです。
東大でクイズに打ち込んでいても、何かの研究に夢中になっていても、甲子園で汗を流していても、箱根でタスキをつないでも、心を打たれます。
あこがれて努力して努力して、それでもダメだった時。
どんな行動に出るかは、人それぞれ。
あこがれられている対象に、その責任はないと思います。
東大だけがいい大学ではないのは当たり前。
ほかの大学のいいところを知らしめたければそういう番組を作ればいいし、大学側も努力したらいいと思う。
ただ、テレビはそもそも『真実ではない』ということを子供に教えておくのは親の責任だと思います。
「テレビは常に本当のことを言っているわけではないんだよ。面白くするために演出もしているし、都合の悪いことは放送しないんだよ。全部創作のこともあるし、真実っぽくても、あくまでも真実の一部なんだよ」ということを育児猫は子供に教えています。
もし、テレビに何か責任を問うとしたら
「僕東大落ちたけど、今はこんな風に成功してる」とか
「甲子園目指してダメだったんだけど、その時の経験を生かしてこんな風に今頑張ってる」という失敗をはねのけた人たちの番組が少ないことにあるかな。
東大を目指すときも、プロ野球を目指すときも、だめだったときに人生が終わるわけではなく、ほかにも様々な道がある。
人生万事塞翁が馬だからね。と、周りも本人も強くしなやかに生きていければいいのだと思います。
なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、今日はここまでにします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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