努力できない
賢くない子の育て方第三弾を今日はお送りします。
第一弾、第二弾はこちらから。
第一弾では体罰を受けると反省できなくなる。
第二弾では笑われて育つと失敗を恐れるようになる。
という話を書きました。
あくまでも自分自身の育ちと自分の性格を振り返っての個人的見解なのですが、さまざまな育児本を読んできて、「当たらずとも遠からず」かな。とは感じています。
今日はなぜ私が「努力できない人間」になったのかについて、検証したいと思います。
親がゴールを決めてはいけない
親が子供のゴール=目標を決めるのは、非常に危険だと思います。
親は子供の将来のために良かれと思って「高校は進学校がいい」とか「大学は4年制大学がいい」とか「水泳は1級までがんばる」とか様々なゴールを決めてしまうことがあります。
しかし子供は自分で決めたゴールに向かっては努力できますが、親から与えられたゴールに向けては本当の意味では努力できません。
努力できているようにみえても、それは「親に好かれたいから」であって、「ゴールしたいから」ではありません。
育児猫は「親から好かれたい願望」が強く、しかも理解力は備わっていたので、親が決めたゴールを突破することは出来ました。
でもそれはトータルで考えるとあまりいいことではなかったと思うのです。
父が決めた育児猫のゴール
いろいろと口出しが多い父親でしたが、今日は勉強についてのゴールについて書こうと思います。
育児猫の実家は貧乏で大学への進学は考えられませんでした。
育児猫の地元には公立だけでも進学校、工業高校、商業高校、農業高校、などがありました。
私立はいくつかありましたが、当然考えられませんでした。
たくさんある高校の中から、育児猫が進学した先は「国立工業専門高等学校」、通称「高専」です。
当時倍率はほぼ2倍。
偏差値は65位でした。
天才が集まるというほどではありませんでしたが、国立だったため、県内外の広い範囲から学生が集まる学校でした。
実はこの高専に進学するのは、育児猫が小学生のころから決まっていました。
なぜなら父が「高専に行きなさい。高専がダメなら農業高校に行きなさい」と言っていたからです。
ちなみに農業高校は、地元の公立高校の中でもっとも偏差値が低く、ガラの悪い生徒がたくさんいることで有名な高校でした。
父が進学先に高専を選んだ理由
なぜ父が高専に行かせたかったのかをまとめると
「国立でお金がかからない」
「5年で高校と大学を卒業したのと同等の専門的な知識が身につけられる」
「優秀な子が集まるのだから、もっと優秀になれるはずだ」
というようなことでした。
理由を書いていてよくわかるのですが、『育児猫の特性』とか『育児猫の希望』とかは一切考慮されていませんでしたね。
実は姉も同じ理由で高専に進んでいるのですが、姉と私は似ても似つかない性格でして、父がそれぞれの個性などを考慮していなかったことは、間違いないと思います。
でも中学生のころの育児猫は、父が決めた進路に疑いを持つことはありませんでした。
頭のいい学校に行けば、いいことがあるのだろうという薄ぼんやりしたビジョンしか持っていなかったのです。
「賢くない子の育て方 個人的見解Ⅱ」で書いたような否定された経験から、自分の夢を真剣に考えることができなかったのだと思います。
高専に受かってわかったこと
困ったことに、育児猫は高専に受かってしまいました。
塾にもいかなかったし、受験勉強と言えば高専の過去問題集を購入して解いたくらいです。
でも育児猫は文系が得意なタイプで、理数系は苦手でしたから、入学してから非常に困りました。
数学や物理・工学などが中心になります。
中学までは持ち前の理解力で授業に付いていった育児猫でしたが、高専の授業は理解力だけで付いていけるような内容ではありませんでした。
授業についていくには、考察と演習が必須だったのです。
また偏差値65の学校に進学すれば、周囲も当然偏差値65もしくはそれ以上の学生になります。
つまり高専の中では「頭のいい自分」を保つこともできなくなりました。
あっという間に落ちこぼれです。
でもそこから這い上がる根性も能力も育児猫は持ち合わせていませんでしたから、成績はずっと低空飛行で、3年間地獄をみました。
高専は5年間なのに3年間?と思われましたか?
育児猫はギブアップしたのです。
自主退学です。
高校卒業の免許だけもらって、高専をやめました。
高専に通ってわかったことは「自分程度は腐るほどいる」という事実と、「高専には全く向いていなかった」という事実でした。
今振り返って思うこと
育児猫は学校をやめてからは、しばらくバイトを掛け持ちして暮らしていました。
このころ旦那と出会ったわけです。
人生万事塞翁が馬だと、今なら言えます。
でも当時は敗北感というか屈辱感というか、そういうものと向き合うことができず、かなり荒れていた時期でしたね。
高専への進学が失敗だったとは言えません。
高専に進学していなければ、今の旦那と知り合っていませんからね。
でも高専に入った時点で育児猫は「終わった」って思っちゃったんですよね。
親が決めたゴールに到達したことで、もう解放された気になってしまったのです。
その先に目標も夢もありませんでしたから、努力するなんて考えもしなかったのです。
今思えば、「アホだったなぁ」と思いますが、中学生なんてこんなもんではないでしょうか?
いや、育児猫が特別アホだったのかな。
これゴールが例え東大だったとしても、やはり同じだと思います。
親が「東大に行きなさい」と言って、それに応えるために子供が努力して東大に受かっちゃった場合は、その先は頑張れないのではないのでしょうか?
もちろん育児猫はゴールが東大だったら受かることもできませんでしたけれど。
子供が自分から真剣に将来のことを考えることは難しいと思います。
ですから手助けは必要ですよね。
いろいろな職業のことを詳しく知ることができるように、本や新聞を読んだり、興味を持ったことなら科学館や大学を見学したり。
様々な経験を通して、子供が興味を持ったことから、「こんな職業があるよ」とか「こんな学校もあるよ」と一緒に考えてあげるのはいいことだと思います。
でも押しつけや決めつけはいけないと思います。
特に「あなたのために言っているの!」はNGワードですね。
それを言っているときの親は結局「自分の言うことを聞かせたい欲求」に従っているだけですから。
そして、子供は小さい時から薄々その事実に気づいています。
でも親に好かれたくて、言うことを聞くだけです。
そしていつか自我が爆発します。
爆発したとき退学するくらいならかわいいものです。
引きこもりになったり、自傷に走ったりするケースも珍しくありません。
育児猫は自分の経験から、子供たちの目標を勝手に決めることがないように気を付けています。
今のところ子供たちの夢は
長男は「東大に行って、ロボットを作る」
次男は「医師になる」
長女は「お母さんと結婚する」
そうです。
バカにしたり、押し付けたりせずに、本人が助けを求めたときにはそっとサポートしてあげられる親でいたいといつも願っています。
もちろん失敗も多いですけどね。
では今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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