賢くない子
前回は「体罰を受けて育つと反省できなくなるので、体罰すると賢い子になれないですよ」という記事を書きました。
ある程度以上の年齢の方だと、「私も体罰を受けて育ちました」という感想をくださる方も多く、時代だったのかなぁと感じることもあります。
でもやはり、体罰する親もいれば体罰しない親もいたはずですよね。
子供は失敗するのが当たり前、勉強もできなくて当たり前、迷惑かけることもある。
きつく叱ったり体罰を与えたりしても、失敗がなくなることはない。
大切なことはしっかり目を合わせて伝えていく。
こんな姿勢をこれからも大切にしていきたいなぁと感じました。
賢くない育児猫の特徴として、「反省できない」「笑われるのが嫌いで失敗を怖がる」「努力(継続)できない」を挙げました。
今回はこの中でも「笑われるのが嫌いで失敗を怖がる」という特性がどこから来ているのかを検証したいと思います。
真剣に取り組んでいる子供を笑ってはいけない
例え遊びでも勉強でも、大人から見たらどう見ても失敗しているとしても、子供が真剣に何かに取り組んでいるときに親は笑ってはいけません。
育児猫は普段大人から「賢い」といわれる子供でした。
そのため他の子供よりも、自尊心が高かったように思います。
自尊心が高いのは悪いことではないでしょう。
でもまだ貧弱で傷つきやすい自尊心を抱えていた子供時代、自分なりに一生懸命やっていること(もしくはやろうとしていることを)笑われたことは、かなり屈辱的で鮮明に覚えています。
父が笑った育児猫の言動
実際にどんなことで笑われてしまったのかをご紹介します。
かくれんぼしていて
両親が仕事で兄妹三人でお留守番中、かくれんぼしていた時のことです。
育児猫はおそらく保育園児だったのでしょう。
家の中でのかくれんぼは育児猫兄妹にとって定番中の定番の遊びで、普通の隠れ場所はすぐに見つかってしまうようになっていました。
鬼は兄で、なんとか今まで隠れたことのない場所に隠れようといろいろ検討した育児猫。
壁のフックにかけてあった母のダウンコートに目を付けました。
ダウンコートのフードの部分をフックにひっかけてあり、長さは床すれすれだったので、中に潜んでじっとしていれば見つからないのではないかと思いつきました。
ところが隠れているところで父親が帰宅しました。
ダウンコートの中に潜んでいる育児猫には父親が帰ってきた気配がわからず、じっとしていたのです。
すると突然、ダウンコートを誰かが急に引っ張って取り上げました。
フックとコートと髪の毛が絡んでいたようで、ちょっと痛い思いをした育児猫。
「見つけたなら見つけたって言ってよ」と言いました。
するとコートを取ったのは父で、
「お前これで隠れてたつもりなの?すぐわかるよ」といって大爆笑。
兄と先に見つかっていた姉も加わって、一日中ネタにされました。
たぶん父は子供特有の幼稚さがばかばかしくもあり、可愛らしくもあり、面白くて仕方なかったんでしょうねぇ。
でも本当に恥ずかしくて嫌でした。
進研ゼミをしたいといったら
育児猫が小学生のころから、進研ゼミはありました。
周りの友達の半分くらいは進研ゼミをやったことがあったと思います。
なんだかわからないけれどキラキラした鉛筆やシール、時計などが子供心を揺さぶりますよね。
育児猫は自分の家が貧乏なことはわかっていましたが、どうしてもやってみたくて一度だけ父にお願いしたことがあります。
「進研ゼミやってみたい。ちゃんと頑張るから」と。
すると父は鼻で笑って、
「絶対無理だ。育児猫に出来るはずがないだろう」と言いました。
今振り返ると、父の指摘は至極もっともだったと思います。
育児猫は飽きっぽい子供でしたし、進研ゼミをずっと最初のペースで続けられる子は稀ですからね。
でも父が笑ったため、兄も姉も母も同じように
「絶対無理でしょ」と笑い出し、もちろんさせてもらえず、育児猫はそれ以降二度と頼みませんでした。
刑事になりたいと言ったら
小学校4年生くらいのころです。
小学校で「将来の夢」という作文を書くことになっていました。
当時「シティハンター」が大好きで、冴子さんにあこがれていた育児猫は「刑事になりたい」という内容の作文を書いていました。
この作文を読んだ父は
「なれるわけないだろう。知らなかったの?」と言って笑いだしました。
父はエホバの証人だったのですが、エホバの証人の信者は銃を扱う警官にはなれないのです。
実は育児猫はこのことをきちんと知っていました。
↑の記事で書いたように、エホバの証人の研究はかなり熱心にしていたからです。
それでも夢はあくまで夢として書いただけでした。
父に読ませるつもりはなかったのに、父の目に触れてしまったのです。
でも父は「育児猫は思ったほど、聖書を理解できていない」と、しばらく笑っていました。
笑われて育つと
笑われて育つと、自分が失敗するかもしれないことにチャレンジするのが嫌になります。
自分ができると自信があることはやりますが、失敗するかもしれないことは人前ではチャレンジしません。
こっそり新しいことを練習してみることはありますが、誰にも見せないのですぐやめることが多いです。
育児猫の場合、自信がないことを無理にやってみて失敗してしまうと、その場から逃げたくなります。
自分の失敗を自分で笑い飛ばせないのです。
賢い人なら、失敗を「いい経験だった」ととらえて、次に生かせるのだと思います。
そういえば、父は子供が失敗するのを嫌がる人でしたねぇ。
「失敗するってわかっていることはお父さんが教えてあげる。それでも失敗する奴はアホだ」とよく言われていました。
大人から見ると、子供は幼く、失敗が多く、危なっかしい存在です。
でも子供は子どもの世界を一生懸命生きています。
そしてその一生懸命さを誰よりも親に認めてもらいたいと望んでいます。
例え失敗しても、もしくは失敗するとわかっていることでも、その必死さ懸命さは認めてあげたいと育児猫は考えています。
では今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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