次男君とお魚
育児猫家の癒し系、次男くん。
うどんとバナナが大好きな次男君。
基本的に硬いものを食べるのが苦手な次男君。
次男君はお魚は好きですが、骨が嫌い。
骨からきれいに身を外すのも、まだ上手ではありません。
骨抜きの魚も売ってあるし、たまにはそういう魚も使うのですが、練習しなければ上手にもなれないですから、育児猫は基本的に骨付きの魚を食卓に出すようにしてます。
ただし、少々時間がかかってもいいように、金曜日の夜など少々時間に余裕があるときだけしか出しません。
先日そんな次男君が晩ご飯で出た太刀魚の煮付けを食べていた時のこと。
一生懸命むしった身を、次男君はせっせとご飯の上に載せていました。
ご飯が見えなくなるほど、盛られた太刀魚の身。
お行儀のいいことではありませんけれど、お醤油の味が染みたご飯はおいしいですし、次男君のあまり上手とは言えない箸さばきでボロボロになった太刀魚の身を一口ずつ食べるよりは、ご飯に載せて一気に食べたほうが効率もいいかと思えます。
その様子を見た長男君が一言
「次男君、ハムスターみたい」と言って笑いました。
ハムスターがひまわりの種を一生懸命貯めこんでいる様子を思い出したのでしょう。
そしてその一言を聞いた途端、育児猫の幼少期の記憶がよみがえりました。
アカヤマの煮付け
育児猫が思い出したのは、アカヤマの煮付け。
アカヤマとはおそらく熊本地方の方言で、全国的にはアカエビと呼ばれているエビだと思います。
体調は3~5cmほどでしょうか。
殻がちょっとガサガサ。
頭やしっぽをとると、1~2cm位になってしまう小さなエビです。
このアカヤマの煮付けが、育児猫の実家ではよく晩ご飯のおかずとして出されていたのですよ。
今回調べてみたのですが、アカヤマはほとんど市場に出回っていないようです。
というか育児猫もスーパーなどで売ってあるところを見た記憶がありません。
今思うと、父や母が仲良しの魚屋さんからかなり安く(もしくは無料で)手に入れていたのだと思います。
育児猫の実家は貧乏でしたからねぇ。
このアカヤマは小さいエビですから、殻を剥くのが大変だったのですよ。
しかもこのアカヤマの殻はかなり固くて、ヒゲが刺さってケガをすることもありました。
でも身は締まっていてうま味が強く、おいしくて、育児猫はこのアカヤマが好きでした。
そんなわけで育児猫は小さいころ、アカヤマの殻をせっせと剝いては、ご飯の上に載せていたのです。
そしてそれを見た父が「育児猫はシマリスみたいだな」と言って笑ったのです。
思い出って面白い
もう多分20年以上、育児猫はアカヤマを食べたことはありません。
でも長男が「次男君、ハムスターみたい」と言って笑った瞬間。
育児猫はアカヤマの見た目。
味や香り。
触感。
父が笑った声。
そういうことが一気に蘇ってきて、胸が詰まりました。
何気ない一言で、それまですっかり忘れていたことを思い出すことってありますよねぇ。
アカヤマを思い出して以来、育児猫は当時の食卓のことをいろいろ思い出すようになりました。
当時の食卓を思い出して思うこと
育児猫家は貧しかったし、当時はお肉の方が高くて、なかなか肉が食卓に上がることはなくって「あ~ステーキ食べたい」なんてよく思っていました。
ちっちゃいエビとかちっちゃい魚とかがおかずになることが多かったんですよ。
しかも味付けはほぼ煮付け。
まぁちっちゃすぎて塩焼きは難しいし、てんぷらやかき揚げを美味しく作るのは大変ですから、当然と言えば当然ですね。
とはいえ、貧しかったけれど、ご飯のおかずがなかったことは一度もなく、今思えば父も(育児猫家では料理担当は父だった)食べ盛りの子どもたちのためにずいぶん苦労したことでしょう。
そして、思い出してしまった今、すっごくアカヤマの煮付けが食べたいです。
父ちゃんが生きていたらきっと捕まえてきてでも食べさせてくれただろうなぁと思います。
このブログでは父ちゃんの悪口を結構書いたし、今でも納得いかないことはたくさんあるけれど、ごはん美味しかったよ父ちゃん。
ごめんね。
ありがとう。